人間関係でトラブルが起きたとき、つい相手を認めさせようとして、問いただしたり攻撃してしまうこともあるかと思います。
それで、相手が素直に認めてくれたらよいですが、そうでない場合、問題を解決する為にあえて「沈黙」も必要です。
今回は、実際によくある相談事例をもとに書いていきます。
相談事例:夫の浮気をやめさせたい
これは本当によくある相談なのですが、奥さんがご主人の浮気を疑いだし、それからご主人のスマホをチェックしたり、逐一、電話をかけて「いま何してるの?」と行動を確認するようになりました。
ところが、それに対してご主人がキレて「もう離婚だ!」と言い出す結果に。
奥さんの言い分としては、「あなたが原因で私がこんなに気にしているのだから、ちゃんと潔白を証明して!」と言いますが、
ご主人としては、「お前のそういう性格が嫌なんだ。オレはなにも悪いことはやってないから、信用しろ。それが出来ないなら離婚だ!」ということで、話がまったくかみ合いません。
奥さんは、ご主人の行動のすべてが浮気に結びついてしまい、一つ一つを監視して問い詰めますが、「なにもしてない!証拠は?」とキレられて喧嘩。ついにはご主人の暴力まで出てしまうケースもよくあります。
気持ちと行動が逆になっていることも
奥さんの気持ちを聞くとみなさん「修復がしたいんです。」と言われます。
また、「証拠をつかんで夫に謝らせたい。」とも言われます。
相手が自ら謝ってくれるのなら良いのですが、謝らない相手を謝らせようとするのは攻撃になってしまいます。
ですから、気持ちは修復したいのに、やってることは相手を責め立ててしまい、結果、お互いにどんどん気持ちが離れていくという悪循環になってしまっています。
アドバイス:時には「沈黙」も大切です
このような状況で証拠をつかんで相手を問い詰めたら、認めて謝るどころか、よけにご主人の気持ちが離れていき離婚に拍車をかけるだけです。
しかも、ここまでもめていて、ご主人は「証拠があるならだしてみろ!絶対にないから!」と言い切っているということは、これから調べても証拠が出ない場合がよくあります。
調査会社は、お金さえ払えば結果に関わらず調査を引き受けることがほとんどですが、高い調査料金だけ支払って、不貞の証拠が出てこないというケースもあります。
アドバイスとしては、以上の二つのことを考えて、いまは調査をせずに、証拠を集めようとせずに、問い詰めようとしないことです。
それを伝えると、多くの奥さんは「では、やはり私が泣き寝入りするしかないのでしょうか…。」と言われますが、「泣き寝入り」ではありません。
確かに苦しい気持ちは分かりますが、今は夫に浮気されている苦しさと、それを認めない腹立たしさから、心と頭の中が暴走してしまっている状態です。
そのような状態で「解決しよう」「修復しよう」としても、冷静ではないので逆に難しいです。
ですからまずは、その心と頭の中を沈めないといけません。
その為に「沈黙」が必要なのです。
人はどうしても嬉しい出来事があると有頂天になり、辛い出来事があるとどんどん落ち込んでしまいます。
でも、目の前の出来事に振り回されていると、幸せな人生とは言えません。
自分の心が嬉しい時ほど、そして苦しい時ほど、意識して「沈黙」を守り、心の暴走をストップさせることが大切です。