2.協議離婚の方法と手続き
協議離婚とは
協議離婚はお互いが合意して離婚届を出せばよいので、形式上の手続きはいたって簡単です。
ただし、未成年の子がいる場合には、親権者をどちらにするのかを決めなければ離婚届は受理されません。
また、離婚届を出したのはいいが、後で財産分与や慰謝料、養育費などの問題で争いとなることもあるので、できれば離婚届を出す前に話し合って決めるべきことは決めておくことが大切です。
協議離婚で争いとなりやすい点
①勝手に一方が離婚届を出した場合
この場合、離婚届は無効ですので、離婚は認められません。
ただし、離婚無効の調停の申し立てや訴訟などで離婚が無効であることを証明しなくてはなりません。
②勝手に離婚届が出されそうなときや、いったん合意したが後から離婚をする意思がなくなった場合
離婚届が、相手方の配偶者から勝手に出されそうなとき、あるいは離婚届に所定の事項を記載して印鑑を押して渡したが、離婚する事への気持ちが変わった場合には、「離婚届の不受理申立て」をすることにより、離婚届は受理されなくなります。
ただし、この申立ての効力は6か月間だけで、再度、「離婚届の不受理申立て」を提出しなければなりません。
③子供の親権者が決まらない場合
未成年者の子供がいる場合には、親権者を決めなければ離婚届が受理されません。
どうしても決まらない場合には、家庭裁判所に親権者指定の調停の申立てをして、調停または審判で決定することになります。
④財産分与・慰謝料や養育費が決まらない場合
財産分与や慰謝料・子供の養育費が決まらなくても離婚をすることは出来ます。
しかし、離婚後の交渉となると大変ですので、離婚時に決めておくことは望ましいでしょう。
こうした、金銭面での交渉がどうしてもうまくいかない場合には、やはり家庭裁判所に調停の申立てをすることになります。
協議離婚の流れ
離婚協議書の作成
協議離婚の場合、離婚協議書という契約書を作成することが良いでしょう。
というのは、離婚条件などが口約束であれば、後で言った言わないの争いとなりかねないからです。
特に浮気の問題が原因の場合は、離婚をしたいがために適当なことを言って離婚する人もいますので、こうなると必ずあとから揉めます。
離婚した後では、離婚という目的をすでに果たしているので、払わなくて済めばよいという考えになるからです。
こうした離婚条件の契約書は、公正証書にしておくと良いでしょう。
「この契約に違反した場合、強制執行をされても異議がないない」旨の文言を入れておけば、相手が約束通りに支払わないなどの契約違反をした場合、法的手続きをとらずに強制執行が出来るからです。
協議離婚は、役所に離婚届を提出し、受理された段階で成立します。
手続きが簡単なだけに、あとから財産分与や慰謝料などでトラブルにならないよう、決めることはしっかり決めて離婚届を提出することが大切です。