裏切りは、終わりじゃない。

信じていた人に裏切られることほど、心に深く傷を残すものはありません。


「なぜ?」と理由を探し、
「何がいけなかったのか?」と自分を責め、
「信じていたのに」と怒りがこみ上げる。

心が大きく揺さぶられるのは、それだけ相手を信じていた証拠です。

ある女性の依頼者が、夫の浮気という現実に直面しました。

信じていたものが崩れる瞬間は、まるで足元の床が抜け落ちるような感覚だったそうです。

最初は苦しみに押しつぶされそうになりました。
食事ものどを通らず、夜になれば思い出してしまう。

どうして? なぜ? 何が悪かった?


考えても答えは見つからず、ただ痛みだけが残る。それでも彼女は、そこで立ち止まりませんでした。


怒りや悲しみを押し込めるのではなく、自分自身に問いかけました。

「私は、本当にどう生きたいのか?」

誰かに愛されることをゴールにしなくてもいい。
誰かの期待に応えることを人生の目的にしなくてもいい。

大切なのは、他人の価値観で自分を測るのではなく、「自分自身の価値を、どう扱うか」 ということでした。

そして彼女は決断しました。

夫は変わらない。
ならば、自分が変わるしかない。

離婚を選ぶことは、決して簡単なことではありませんでした。
迷いもあったし、不安もあった。

でも、それは「過去を捨てること」ではなく、「未来を選ぶこと」 でした。

裏切りは、終わりではありません。

むしろ、それは「新しい自分に生まれ変わる」ための通過点なのかもしれません。

もし、今、同じような痛みに苦しんでいる人がいるなら、
「なぜ?」と過去に問いかけるのではなく、
「これからどう生きる?」と未来に問いかけてみてほしいのです。

失ったものを数えるのではなく、
まだ持っているものに目を向ける。

裏切りの先には、
痛みを乗り越えた「本当の自分」が、きっと待っています。